エゾシカによる農林業被害対策で、北海道は平成22年から毎月第4火曜日を「シカの日」とし、ホテルやレストランなどでエゾシカ肉を食べてもらう取り組みを実施。18年度に9千頭だったシカ肉処理数は24年度は2万4千頭と約3倍に増えた。「エゾシカ肉はフレンチでは定番の食材。かつては野生の肉は固い・臭いと言われたが、血抜き処理など適切に調理されれば問題ない。首都圏のレストランにも出しており、おいしいと好評」(北海道エゾシカ対策課)
やはりシカによる農作物被害が深刻な静岡県伊豆地方では、シカ肉を使った「イズシカ丼」を開発、観光客向けにPRしている。
「新鮮=安全」でない
一方、厚生労働省の「野生鳥獣由来食肉の安全性確保」研究班(班長=高井伸二・北里大獣医学部教授)の調査で、3年以内にジビエを食べた人の中に、刺し身やルイベ、ユッケなど生食で食べた人(延べ)はシカが1702人、イノシシで327人いることが判明。21年に滋賀県琵琶湖環境部が実施した調査でも、シカを食べたことがある人の半分弱が「生の刺し身を食べた」と答えている。