【書評】『古代エジプトの埋葬習慣』和田浩一郎著 (1/2ページ)

2014.7.27 09:48

 ■来世を信じる庶民の生活史

 エジプトというと、ピラミッドやツタンカーメン王墓の財宝に代表されるイメージが強い。エジプト考古学の第一人者・吉村作治教授は少年時代からの夢を発掘に懸けて、実現しつつある。とはいえ、かの有名なピラミッドとは何かとなると、いまだ定説はない。吉村教授は日の出から日没までの一日を太陽神ラーの一生と考えて、ピラミッドの中を通ることで毎日、一生を体験し、それによって天空を往来する昼の舟から夜の舟に乗り換えるためのエネルギーを充電していたのがピラミッド、つまり充電器のようなものだという新説を発表した。

 本書の著者は現在、古代エジプトの埋葬の世界を探索する中で、もっとリアルな人間としての古代エジプト人の姿を、活写してみせてくれる。

 古代エジプト人は5千年以上前から死後の再生という発想を抱き、3千年以上にわたってそれを維持し続けた。それはなぜか。古代エジプト人は高位の人々でも30代、庶民であれば20代で死亡する場合が多かった。つまり、古代エジプト人の地上での人生はあまりにも短く、現世は離れがたいものだった。それゆえ、来世には第二の人生が用意されているという発想を生むことになったと、三十数年の発掘作業の中で著者は考察する。

“死者が住む来世”を信じる庶民の生活史

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