【江藤詩文の世界鉄道旅】フランス国鉄TGV(2)フレンチエスプリ漂う色っぽい車内…列車に現れる“お国柄” (2/2ページ)

2014.8.2 18:00

フランスのファッションデザイナー、クリスチャン・ラクロワ氏がデザインを手がけた車両。車窓にはぶどう畑が広がっていた

フランスのファッションデザイナー、クリスチャン・ラクロワ氏がデザインを手がけた車両。車窓にはぶどう畑が広がっていた【拡大】

  • 先祖がトルコ系のフランス人で、世界三大料理のうちふたつ(フランス料理とトルコ料理)に精通し、食べ歩きが趣味という乗務員
  • 自動扉に「2等車」と書いてあるだけなのだが…
  • ファッションイラストのようなピクトグラム

 カクテルのサインに惹かれてバー車両に行ってみた。世界に名だたるワイン産地ボルドーのぶどう畑を駆け抜けるこの列車には、もちろんワインも搭載されている。いちばん安い赤ワインを注文すると「女性がひとりでワインを開けるなら、もう少し待ったほうがいいよ」。販売員はそう言う。

 夕ぐれが近づき車内が赤く染まるころ、間接照明のテーブルライトがあちこちでほんのり灯り、車内のムードは夜の顔へと変わるとか。そう言われると、光沢のある紫と赤のシートの配色も、やけに色っぽく見えてくる。

 その色気はドイツのICEとも日本の清潔で律儀な新幹線とも異なるし、スタイリッシュなデザインで知られる北欧ともまた違う。まったくフランスらしいとしか言いようがないのだ。私の脳裏に三たび、このことばが去来した。

 「フランス人めぇ…」。

■取材協力:ボルドーワイン委員会

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

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