【書評倶楽部】女優・東ちづる 『ピンザの島』ドリアン助川著 (1/2ページ)

2014.8.2 15:18

東ちづる

東ちづる【拡大】

  • 「ピンザの島」

 ■この島はまるで日本の縮図

 読み終わってすぐに、頭から読み直したいと思った。だからといって、さくさく読めるわけではない。紡がれた言葉、編まれた文章はとても美しい。だが、ストーリーにきれいごとは一切ない。胸に刺さる表現の度に本を閉じ、フラッシュバックするこれまでの自分に起きたことを噛(か)みしめた。

 読み手のその時々の心情で引っかかるテーマは違うかもしれない。例えば、生きることは食べるということ、この離島は今の日本なのでは…、絶望と希望は背中合わせなのかも…と。

 涼介は水道工事のアルバイトとして、他の2人の若者とともに、独特の風習が残る離島に渡る。自殺をした父のこともあり、涼介は幼い頃から敗北感とふいに襲ってくる自殺願望に悩まされている。過去の傷を治したいのか、忘れたいのか…。島に来た本当の目的は果たされるのか…。ピンザと呼ばれる、島で生きる人にとって重要な役割を果たすヤギは、涼介にとって拠(よ)りどころとなるのか…。

どこにもないこの島は、まるで日本の縮図のよう

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