【日曜経済講座】経済部長・島田耕
■少子高齢化、構造的な“壁”
値上げの夏である。ハムやバター、小麦粉、航空運賃など幅広い分野で料金改定が行われる中、自動車保険(任意保険)の保険料も7~10月にかけて値上がりする。
ただ、食料品などとは異なり、大手損害保険会社はここ数年、ほぼ毎年のように値上げを実施。理由は毎回異なるが、昨年も損害保険ジャパンが平均2%、東京海上日動火災保険が1・9%、三井住友海上火災保険が1・7%の値上げを行っており、「また上がるのか」と嘆くドライバーも多いことだろう。
しかも、損保各社が加盟する損害保険料率算出機構は今月4日、自動車保険料の参考値となる「参考純率」を5年ぶりに平均0・7%引き上げると発表。これを踏まえ、来年以降、再度の値上げを実施する損保がでてきても不思議ではない。
なぜ、自動車保険料の値上がりは続くのか? その背景を調べると、日本の自動車産業が抱える課題、さらには日本全体の構造的な問題に揺れる自動車保険の現状が見えてくる。