【江藤詩文の世界鉄道旅】ボルドー・路面電車 世界遺産の街を行く近未来的フォルム…架線のない車両が景観と調和 (2/2ページ)

2014.8.9 18:00

ガロンヌ川にかかる橋のなかでもっとも古く美しいとされるピエール橋を渡る路面電車

ガロンヌ川にかかる橋のなかでもっとも古く美しいとされるピエール橋を渡る路面電車【拡大】

  • ブルス広場前を走る路面電車。日が沈むとライトアップされて異なる雰囲気を味わえる
  • 2本のレールの真ん中にあるのが給電用のレール。人や自転車が触れても電気が通ることはない
  • 駅はほとんどが無人駅。乗車券は自動券売機で購入する
  • ボルドー産のワインを愛でながら路面電車を眺める。鉄道好きにとってたまらないひととき

 このしくみは、架線から給電する旧来の方法より費用がかかるそうだ。だが、交通渋滞の緩和や環境保護を目的に路面電車の導入が決定されたとき、ボルドーは、コストより景観の美しさを守ることを選んだという。この国の人たちの「美しくあること」への強い思いに、何度舌を巻いたことだろう。

 いまではボルドー市民の足として、すっかり定着した路面電車。路面電車の前を徒歩で横切ったり、レンタル自転車に乗って並走したり、路面電車と思う存分触れ合える。

 町歩きに疲れ、旧市街のカフェのオープンテラスに座った。夏のボルドーは午後10時近くまで明るく、湿度を含まない風が心地いい。ワイングラスを傾けていると、路面電車がやって来る。グラス越しに見る車両は、とっておきの美しさを放っていた。

■取材協力:ボルドーワイン委員会

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

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