【書評】『一瓦一説 瓦からみる日本古代史』森郁夫著 (1/2ページ)

2014.8.10 10:25

「一瓦一説」

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 ■時を超え古びとに出逢える

 私ごとだが、飛鳥から興福寺を経て秋篠寺まで、初夏の古寺を巡ってきた。燻銀(いぶしぎん)の甍(いらか)に細雨は煙って、古(いにしえ)の風情さえ感じられる国家草創期の舞台をである。法隆寺では、瓦を1枚寄進してきた。何処(いずこ)の堂舎に葺(ふ)かれるのだろうかなどと想(おも)いつつ帰宅すると、本書が届いていたのであった。

 著者は、奈良国立文化財研究所時代より、古代瓦の研究に取り組んでこられ、昨年他界された。本書が、絶筆の書である。序章、推古朝の瓦、舒明(じょめい)・孝徳朝の瓦、天武・持統(じとう)朝の瓦、聖武朝の瓦と5章立てに補遺を加えて、62項目の瓦から、古代の日本を解き明かしている。著者がはじめに述べておられるように、主として、古代寺院造営のあり方を、軒先を飾る瓦の文様(瓦当(がとう)文様)の違いや内側の文字資料などから、具体的に導きだしたものだ。時に、専門的な観察と分析にも言及しており、決して平易な表現による啓蒙(けいもう)のみを目指してはいない。かといって、論文調の難解さを伴うものでもない。むしろ、各節が短文に纏(まと)められ、明快でさえある。

本書の一言一文に、著者の思い

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