【書評】『This is the Life』 (1/2ページ)

2014.8.10 16:31

『ThisistheLife』

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 ■鋭いユーモアの感覚が救い

 兄と弟の物語である。かつては落ちこぼれだったが、いまは妻子とともにイギリスで暮らしている弟の「おれ」の名前は明かされない。アレックス(著者名)なのかもしれない。兄の名前はルイスだ。頭脳明晰(めいせき)で優秀だったが、高学歴にもかかわらず定職につかず、早くから家を出て、ここ数十年はオーストラリアで放浪にも近い生活を続けてきた。が、あるとき、ルイスの脳に悪性の腫瘍ができたと知らされた「おれ」は単身、オーストラリアに飛んでいく。こうして、病気と闘う兄と、面倒をみる「おれ」の2人だけの生活が始まる。

 ルイスの病状は時間とともに悪化して、回復の望みは絶たれる。徐々に近づく死を見据えながらも、ルイスの口癖は「おれたちはそんなにやわじゃない」だった。人生をそう簡単に諦めないルイスの生き方に「おれ」は励まされ、読者は癒やされる。「金で解決できないことのリストを作ったら、解決できることのリストより長くなる」「人生はもつれた糸を丸めた球のようだ」「おれたちはこの世界でやっていくしかない」「祈りで病気が治るなら、なぜ人はみな死ぬのか」「要は期待の問題だ。期待するから、おれたちは身を誤るのだ」「人生を台なしにするのに他人の手は必要ない」-物語のそこかしこに、なるほどと唸(うな)らせる箴言(しんげん)がちりばめられる。

本作は純然たる大人の文学

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