【書評】『太平洋戦争を考えるヒント』保阪正康著 (1/2ページ)

2014.8.16 11:51

「太平洋戦争を考えるヒント」

「太平洋戦争を考えるヒント」【拡大】

 ■日本軍の作戦参謀の宿痾

 昭和2年(元年は1週間)から23年までの22年間、現役の首相、および首相経験者が、自殺、暗殺、刑死といった自然死以外で死んだのは8人に及ぶ。こんな国は、我が国を除いてどこにもないであろう。この22年間の最大の事件は、なんといっても太平洋戦争である。

 本書の著者は、「『昭和』は人類史が体験したあらゆる事象の見本市であり、そこには戦争、勝利、敗戦、占領、被占領、革命、テロ、クーデター、さらには飢えから飽食まで、あらゆる史実と人間百態が詰まっている」と述べている。もっとも、である。

 ところで、本書のテーマである、太平洋戦争とはなんだったのか、本書が挙げている二十数点の問題点のうち3点を紹介したい。

 先(ま)ず「日本軍の人事」についてであるが、陸軍大学校で「納豆」(教官にゴマをすること)が罷(まか)り通っていた。二・二六事件の後、皇道派将校への「粛清人事」が行われ、能力本位から人脈本位に変わってしまった。この最たるものが「東條人事」であった。また、参謀本部作戦部には、陸軍大学校の卒業生のうち成績の上位5番以内の軍人が任官し、この「戦場知らず」の超エリート参謀が現場を無視した無謀な作戦を立て、多くの兵士を死に追いやった。

総力戦において、軍事が政治を壟断すれば、その後に起こるのは無残な敗北

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。