ベーシックスタイルの持つ機能美に最先端技術を取り入れ、快適な着心地を提供するメンズブランド「MINOTAUR(ミノトール)」。世界最大級のメンズプレタポルテ見本市「ピッティ・イマジネ・ウォモ」など海外展示会にも参加、国内外で認知を得てきた。デザイナーでブランドディレクター、泉栄一さん(42)はバイヤーとして海外ブランドに接した経験を核に、服作りへのこだわりを貫く。
--子供の頃からファッションに興味があった
「人と同じなのが嫌いで、叔母の手芸店で材料を仕入れ、リュックサックを加工したり、トレンドを取り込もうとズボンの裾幅を変えたりしていた。福岡・久留米は、人気バンドだったチェッカーズが象徴するように、アメカジ、ロカビリーなどファッションカルチャーも身近だった」
--バイヤーとしてキャリアをスタートした
「ファッション業界へ進むため、服飾専門学校などへの進学も考えたが、独自性や理想と現実とのバランス感覚を養うため、尊敬するバイヤーの元で働くことにした。バイヤーとして海外ブランドに触れ、彼らの国内展開も手掛けたが、販売戦略が変容して客が混乱するのを見て、自分たちで立ち位置がぶれないブランドを持とうと考えた」