演出家の野田秀樹(58)と人気漫画家、萩尾望都(もと)が共同で脚本を手がけた「半神(はんしん)」が9月から10月にかけて、日韓で上演される。繰り返し再演されてきた人気作だが、今回は日韓共同で制作され、出演するのはすべてオーディションで選ばれた韓国人俳優という異色作。演出も担う野田は「韓国俳優は身体的なレベルが非常に高い。その部分を注視したような作品を作ってみたいなと思っていた」と語った。
原作は萩尾の短編漫画で体の一部がつながった双子姉妹の物語。醜いが聡明(そうめい)な姉、シュラ(チュ・イニョン)は、美しいが知能は劣る妹、マリア(チョン・ソンミン)の世話をしている。その2人が10歳を前に死に直面する病にかかり…。
初演は昭和61年で、英のエディンバラ国際演劇祭でも上演された。15年ぶりの再演となる今回は、韓国の国立劇場「明洞(ミョンドン)芸術劇場」と東京・池袋の東京芸術劇場が共同制作。野田は7月、同劇場で報道陣に「オーディションで韓国の俳優たちの意気を感じた。俳優との出会いにより、初演よりも役が膨らむことがあるかもしれない」と話した。