開発に当たっては砂糖に代わるものとして、「泡立ちなど卵に配合した際の相性が一番良かった」パルスイートという甘味料を選び、ケーキの生地に巻き込む生クリームは低脂肪の生乳を使用した。
低カロリーでも普通のスイーツと同じような満足感を得られるようにするため、「生地やクリームに入れる甘味料の量を1グラム単位で調整し、試作を繰り返した」(向山さん)。
構想から1年後、商品が完成。カロリーは厚さ約2・5センチの輪切りのサイズで121キロカロリーと、砂糖を使った場合のロールケーキに比べ、約40%のカロリーオフを実現した。小麦粉を使い、米粉やふすま粉は使わなかった商品は画期的で、これにより、食感や味が通常商品とほぼ変わらないものに仕上がった。
患者やその家族向けの試食会も実施。170人のうち9割が「おいしく、ちょうどよい甘さ」という回答だった。今年から同店の商品に加わった。もちろん砂糖はゼロだから、血糖値の急激な上昇などの心配も少なく、「糖尿病患者やメタボの人、ダイエット中の人にも好評で、遠方の人には通信販売で応じている」(同店)という。