【書評】『物語 ベルギーの歴史 ヨーロッパの十字路』松尾秀哉著 (2/2ページ)

2014.9.21 14:20

『物語ベルギーの歴史ヨーロッパの十字路』松尾秀哉著

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 ベルギーといえば、日本では「小便小僧」と「フランダースの犬」が有名だが、両国の関係は古い。明治19(1886)年、日本とベルギーは通商条約を締結。欧米の中でも9番目の国。第一次欧州大戦では連合国同士となり、甚大な犠牲を払ったベルギーに日本は義捐金(ぎえんきん)を贈っている。

 当時の裕仁皇太子は、イギリス、フランスに次いで3番目にベルギーを公式訪問。そのあと関東大震災に見舞われた東京にベルギーから膨大な義捐金や物資が贈られた。両国は、大国を相手に戦うことを運命づけられてきたが、現代ベルギーでは移民問題に悩まされている。本著は、少子化によって移民政策をとろうとしている日本に、貴重な一石を投じるであろう。(中公新書・840円+税)

 評・大野芳(作家)

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