2020年までに女性リーダー比率を3割にするという政府目標に後押しされ、企業が女性登用を積極化するなか、出産・育児をしやすい社内環境整備が重要課題になってきた。働く女性にとって出産時期は大きな問題で、これを考慮しない企業では女性リーダーが育たないばかりか離職すら防げないからだ。従来の枠組みにとらわれない新たな人材育成策が求められている。
悩む「第2子問題」
「今は育休とか勘弁してくださいよ」
倉田友里さん(36)=仮名=の勤める大手メーカーは女性登用に前向きだ。倉田さんも今年、管理職に昇進した。そこへ、新たに配属された部下の男性の言葉が胸に突き刺さった。軽い気持ちで言ったのかもしれないが、配属から日を置かず上司が代わることを懸念する本音が含まれているとも感じられた。
2歳児の母である倉田さんが頭を痛めるのが「第2子問題」だ。年齢的に悠長に構えている場合ではないとは思うが、社内の立場を考えると躊躇(ちゅうちょ)もある。