You feel good? 彼女の呼び掛けにgood、excellentなどと片言の英語で返していたが、滑るような手と指の動きに合わせて深い吐息へと変わり、最後は「気持ちいい~」と日本語しか出てこなかった。
フエの街中で夕食を済ませた後、滞在ホテルのピルグリミッジ・ビレッジに戻りエステを受けることにした。仕事柄、肩凝りや腰痛に悩まされているほか睡眠不足に起因する過剰極まりないストレスを抱えている。
エステに行けばスッキリする、との評判は聞いていたが、女性に交じって出入りするのが気恥ずかしくてこれまで体験したことがなかった。ここはベトナム。旅の恥はかきすてだ。
ヴィラタイプのマッサージルームに向かう前に受付で芳醇な香りを放つアッサムティーをいただきながら使用するアロマオイルを選ぶ。快眠が得られるというイランイランを選択した。
個室に入ると宮崎あおいに似た美しい女性からパンツ1枚になるよう促される。貧相な体を晒すことに抵抗はあるが、暗がりなので「恥ずかしがる必要はない」と言い聞かせてシャツとズボンを脱ぎ、ベッドにうつ伏せになる。