【書評】『ヨーロッパ思想を読み解く』古田博司著 (1/2ページ)

2014.10.4 13:06

古田博司著『ヨーロッパ思想を読み解く』(ちくま新書)

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 ■哲学を楽しむコツを説く

 大学で哲学概論と題する講義の内容のほとんどは西洋哲学と言っていい。そして西洋哲学とは存在論と認識論とであるとし、それを全時代にわたって延々としかも細かく論じるのがふつうである。

 それに大半の講義者は自分の頭で考えたのではなくて、そこらの安物の本がネタ。これでは学生もたまったものではない。分からない、つまらない、眠いで終わり、曰く、哲学って難しいのね、と。

 ところが、本書の著者は、自分の頭で、すなわち自分のことばで西洋哲学を〈読み解く〉。東洋思想系の学者であるので、分からないところは率直に分からないとして、分かっていないのに分かった顔をしている西洋哲学者につっこみを入れてゆく。逃げようったって逃がさんぞと。その意味では恐ろしい本である。

 著者は、存在論すなわち事物はどのように成り立っているのかという〈存在の本質〉論、次いでそれを人間はどのようにして知ることができるのかすなわち認識論の2つと人間との関係をこう述べる。この世の人間すなわち「こちら側」から見て、存在論が説く〈存在〉を「あちら側」とし、そこへの架け橋を〈認識〉つまり認識論とする。すなわち西洋哲学史とは「こちら側からあちら側に架け橋をあれこれ架け変えては踏みこもうとした歴史」だと、実に分かりやすく図式化した。ただし「あちら側」と宗教上の「あの世」は異なるとし、その相違は別の章で論じる。

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