登山する際には、山小屋や避難小屋などの位置を常に把握しながら行動し、噴火の前兆にも注意を払う。「硫黄の臭いがしたり、噴煙が上がっていたら、すぐに火口から離れること」と話す。
噴火に巻き込まれてしまった場合には、逃げる方向に注意が必要だ。和田さんは「風向きや地形を考えて、噴煙や火砕流の流れを避けて」とアドバイスする。有毒性の火山ガスは密度が濃く重いため、くぼ地にたまりやすい。噴煙は谷沿いに流れていくため、なるべくなら尾根筋に逃げた方がよいという。
降灰により視界がゼロになり、動けなくなったら岩陰などで噴石を避け、ヘルメットやリュックなどで頭部を守っておく。和田さんは「山は常に風が流れている。視界はいずれ開けるので、安全なところで動かずにいてほしい」と話している。(寺田理恵、兼松康、油原聡子)