「先生から血液が機能していない難病だといわれ、頭の中が真っ白になりました。症状は熱が下がらないだけだったのですが、言われてみれば、少し前から鼻血が出ると1時間ぐらい止まらなかったり、青痣(あざ)がなかなか消えなかったりと、兆候はありましたね」と母親の慶子さん(38)は振り返る。
治療方針を決めるため、すぐに入院。それから厳しい闘病生活が始まった。
血液難病の治療には、骨髄移植が有効とされ、それには患者とドナーの免疫組織「HLA(ヒト白血球抗原)」の型が適合しなければならない。その確率は兄弟姉妹の間も4分の1、血のつながらない他人の場合は数百~数万分の1と極端に低くなる。
検査の結果、幸い当時4歳だった弟の快君と適合。咲さんは飛び跳ねて喜び、慶子さんも「これで生きられる」と胸をなでおろした。