【書評】『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが…』 (1/2ページ)

2014.10.26 10:33

 ■家族像から描く裏の筋書き

 一昨年引退を宣言したアメリカ文学界の重鎮ロスの2004年の長編である。

 リンドバーグがアメリカ上空ではなく大西洋上を飛んだのは建国以来西へと邁進(まいしん)してきたアメリカをヨーロッパへ回帰させるためではなかったか。多民族・多文化国家からヨーロッパ系白人中心主義への後退。それが「リンドバーグ」の記号性である。原題を活かした邦題だが、作中用語では「アメリカに対する陰謀」、少々噛(か)みくだけば、アメリカ史の「裏の筋書き」となる。

 それは大胆な筋書きである。フランクリン・ルーズベルト大統領がその3選目でもし負けていたら、と仮定し、勝利するのがリンドバーグだったら、という尾ひれがつくのである。大西洋単独無着陸飛行の英雄リンドバーグはまた、愛児を誘拐され失った悲劇のヒーローでもあった。アメリカを憂え一時期ヨーロッパで暮らし、ヒトラーと接触があったことでも知られる。

 そんな人物が1941年、アメリカ大統領に就任していたら、である。ドイツ贔屓(びいき)はもとより、対日協定を交わし日本の東アジア覇権を認め、自らは中立を貫く。実に大胆な筋書きである(物語終盤にはより大胆な筋書きが待ち構える)。ユダヤ人を批判する大統領を戦争不関与をもって国民は支持するが、ユダヤ人はのっぴきならない状況に陥る。

先住民の強制移住により確保されていた土地

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