消費の低迷が続く日本酒の裾野を広げる取り組みが始まっている。日本酒カクテルを推奨するサイトや、飲んだ日本酒を記録できるスマートフォン用アプリなどが登場。「通好み」の印象が強い日本酒を気軽に楽しむ手段が広がっている。(村島有紀)
レシピ開発
国税庁によると、平成24年度の日本酒(清酒)の1人当たり(成人)の消費量は5・7リットル。国全体の消費量は、戦後のピークだった昭和50年度のわずか35%で、清酒の製造免許場(酒蔵)も半減した。
「日本酒は酒好きや通の人が飲むイメージ。若い世代、特に女性は飲まない。このままだと蔵元もますます厳しく、日本酒の文化も危うくなってしまう。何とかしたいと思った」と話すのは、任意団体「日本酒カクテル推進プロジェクト」(東京都渋谷区)のプロデューサー、井上岳久さん。同プロジェクトは、若い世代や女性に日本酒をもっと飲んでもらおうと、6人の女性料理研究家がレシピ開発に参加。昨年11月に専用サイト(nihonsyu.info)を立ち上げ、日本酒と合うカクテルをサイト上で紹介している。