12月から3月はインフルエンザの流行期。感染で重症化する可能性のある妊婦にはワクチン接種が勧められるが、妊娠中は胎児への影響を心配して接種をためらう人も多い。接種は感染を減らす効果に加え、早産のリスクを少なくする可能性も期待されている。(平沢裕子)
新型以降に積極推奨
インフルエンザワクチンは、ウイルスの病原性をなくした不活化ワクチンで、日本産科婦人科学会は以前から診療ガイドラインで「希望する妊婦には接種を推奨」としている。ただ、日本産婦人科医会常務理事の中井章人・日本医科大教授は「妊婦に積極的に接種を勧めるようになったのは、新型インフルエンザが流行した平成21年から」と指摘する。
インフルエンザにかかると、高熱や頭痛、関節痛などさまざまな全身症状が出て、肺炎など重症の合併症を引き起こすこともある。免疫力が低い高齢者や子供が重症化しやすいことはよく知られているが、新型インフルエンザの流行で妊婦も重症化しやすいことが判明した。