主要企業の経営者や人事・労務担当者らが春闘の課題などを話し合う第118回経団連労使フォーラムが26日、東京都内で開幕し、2015年春闘の論戦が本格的に火蓋を切った。最大の焦点である賃上げ幅について、経団連の榊原定征会長は同日の定例会見で「昨年の賃上げの状況(月例賃金で2.28%増)を上回る水準を期待したい」との考えを改めて表明した。
26日の労使フォーラムでは、榊原会長があいさつしたほか、連合の古賀伸明会長が「持続可能な社会をめざして」と題して講演し、労使それぞれが意見表明。さらに榊原会長が定例会見を開き、古賀会長もフジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じるなど、労使双方が春闘に臨む方針と意欲を明らかにした。
焦点の賃上げ交渉について、連合は昨年を上回る2%以上のベースアップ(ベア)の要求を掲げているが、榊原会長は会見の中で「ベアは一つの選択肢だが、一律にベアできる状態ではない。ベアを優先するか、一時金(ボーナス)で対応するかは個別企業の判断だ」との見解を繰り返した。