筆記用具やフォーク、スプーンなどは太めの方が握りやすい。滑り止め付きのマットを使って食器を固定すれば、食事がしやすくなる。手すりの位置や家具の配置を調整し、動線を確保すれば移動が楽になる。同居する家族は、患者を介護しすぎないように気を付けることも必要だ。「本人のペースがゆっくりでも、できる部分はやってもらい、体を動かすようにしてもらいましょう」と村田医師。
体の動きが小さくなるとともに言語障害が表れ、声が小さく早口になり、聞き返されるケースも増える。家族ら周囲の人は、ゆっくり大きな声で話しかける方が、患者も話しやすい。「できるだけ会話を増やすこと。カラオケで大きな声で歌うのもお勧め」と村田医師は助言する。
パーキンソン病はゆっくりと症状が進行する。村田医師は「きちんと薬を飲んでリハビリをすれば、生活上の制限はほとんどありません。自分で生活に制限を設けずに、病気とうまくつきあってほしい」と話している。