□ルーセントドアーズ社長・黒田真行氏
「サラリーマンという仕事はありません。」
これは、今から30年近く前の1987年8月19日、新聞朝刊の全面広告に掲載された、西武セゾングループの新卒採用広告のキャッチコピーです。
高度成長期に生まれたサラリーマンという概念に、一石を投じたメッセージとして、バブル前夜の空気を鮮明に表しています。その当時、就職活動をしていた世代は今の50代前半。会社で部長以上の幹部として活躍中の人、リストラの対象になりつつある人など、いろいろな立場で、残りの仕事人生を考えているところかもしれません。ちなみに当時の環境をもう少し補足すると、その前年の86年に「男女雇用機会均等法」が施行され、総合職採用がスタートした直後。この世代が大卒新卒時の求人倍率(学生1人当たりの求人数)が2.48倍で、まさにバブル採用の序章というタイミング。当時の文系学生の人気企業は以下の顔ぶれです(社名は当時のまま)。
<1987年 就職人気企業ランキング(文系)>
1位 日本電信電話
2位 東京海上火災
3位 三菱商事
4位 松下電器産業
5位 三井物産
6位 住友銀行
7位 日本生命保険
8位 日本電気
9位 三井不動産
10位 伊藤忠商事