経済産業省は28日、2015春闘の労使交渉に関する調査結果を発表した。賃上げを行ったのは中小企業で前年度比3.3ポイント増の67.6%、大企業で0.5ポイント増の94.5%に上り、宮沢洋一経産相は同日の記者会見で「アベノミクスの効果が着実に波及している」と指摘した。
中小企業の賃上げは、地域経済の活性化につながるため今年の春闘の焦点とされていた。地域別では近畿や中部、沖縄で7割を超える企業が引き上げたと回答するなど全地域で前年度を上回った。
基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)について、賃上げした中小企業のうち4.7ポイント増の26.9%が実施した。
賃上げを実施した理由(複数回答)は、「人材の採用、従業員の引き留めの必要性」が47.4%でトップ。「業績回復」(38.1%)、「他社の賃金動向」(27.3%)が続いた。
一方、大企業は、賃上げを行った企業のうち14.1ポイント増の66.8%がベアを実施。またベアをした企業のうち半数を超える54.6%が2000円以上引き上げた。
今回の調査は、中小企業が7352社、大企業は東京証券取引所一部上場の817社が回答した。