文庫も冬の時代 底入れなるか…
出版物の販売部数は長期低落傾向にあるが、文庫の部数も徐々に減っている。出版科学研究所によると、昨年の文庫推定販売部数は1億8901万部で、前年比7.6%減と、統計のある昭和48年以来最大の落ち込みを記録した。
出版業界に詳しいジャーナリストの山田順さんは「文庫では近年、書き下ろし作品が増えてきたが、それでもこの1、2年はヒットが出ない状況で、これまで売れてきた作品の反動減も大きい。単価の上昇で文庫の強みだったお手頃感も薄れ、地方の書店の減少で売り場が減っていることも響いている」とみている。
こうした中、各社のキャラ文芸の売れ行きは総じて好調。今後、市場の底入れにつながるか注目される。