ADHDタイプは集中力が続かない、落ち着きがない、じっとしていられないなどの特性がある。気持ちや考えがコロコロ変わるので周りをイライラさせ、思い込みが強くて早合点が多く、何ごとも突っ走ってしまいがち。たとえていえば「狩猟民族」タイプだ。
一方、ASDタイプは人づきあいが苦手で、ルールや言葉づかいに厳格といった特性がある。これまで年齢や症状によって自閉症、アスペルガー症候群などの診断名となっていたが、DSM-5からは、それらはひとつながりの障害群とみなされている。興味のあることに没頭するので、子どものころに「○○博士」と呼ばれることもある。こちらは「農耕民族」タイプだ。
タイプ分けはあっても、実際は両方の特性を併せ持つこともある。田中氏は「発達障害は特別なものではなく、誰もが多かれ少なかれ同じ特性を持っています。その特性が顕著であり、失敗やトラブルが生活に支障をきたせば、医学的に発達障害と認められることが多いというだけ」と解説する。