救急現場に「末期」「看取り」増加 本来の患者搬送破綻の恐れ (1/5ページ)

2015.10.13 06:53

短時間に高度な医療を提供できる救急医療の現場=東京都墨田区の東京都立墨東病院救命救急センター

短時間に高度な医療を提供できる救急医療の現場=東京都墨田区の東京都立墨東病院救命救急センター【拡大】

 救急医療の現場に、高齢患者が増えている。なかには救命というよりも、看取(みと)りに近いケースもあり、救急医らを困惑させている。本人が望まぬ延命につながりかねず、交通事故や心筋梗塞など、本当に救命が必要な患者の搬送を阻みかねないからだ。現場からは「このままでは、救急は破綻する」との声が上がっている。(佐藤好美)

 東京都墨田区にある都立墨東病院の救命救急センターは、救急医療の頂上に位置する「三次救急」にあたる。交通事故や心筋梗塞、動脈瘤(りゅう)破裂など「突発・不測」のけがや病気で、一刻を争う「重症・重篤」の患者を受けることができる医療機関だ。年間2千件超の受け入れは都内最多だ。

 だが、同センターの浜辺祐一部長は「病気で死期が迫っているとか、90代の寝たきりの患者が今朝、昏睡(こんすい)状態に陥ったとか、救命救急センターの適応とは言えない患者が搬送されている」と指摘する。

 同センターが、東京消防庁の要請に対して、患者を受け入れた「収容率」は平成24年に65%。浜辺部長は「理想は、要請を100%受けること。だが今は、救うべき命を救うために依頼を選別しようという心持ちになっている」と言う。

患者家族には、他に選択肢がない苦悩がある

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