□日体大児童スポーツ教育学部助教・田中理恵さん
■子供に楽しさ、うれしさ伝える
健康のためにスポーツをすることが良いということは分かっていても、自分自身が楽しくないと継続しない。子供の頃から運動が苦手、楽しくなかったという記憶から、大人になってからも積極的にやる気にならないという人も少なくないという。それには、子供からどのようにスポーツと付き合ってきたかという経験が大きく影響する。
◆あらゆる競技にチャレンジ
一生楽しくスポーツと関わっていくためのスタートとなる幼児教育について、日本体育大学の田中理恵助教に話を聞いた。田中助教は、体操の日本代表選手としてロンドンオリンピックに出場するなどの活躍の後、母校の日本体育大学の児童スポーツ教育学部で指導に当たっている。
兄、弟とともに活躍する“体操一家”として知られ、自身が本格的に体操を始めたのは小学校1年生のときからだというが、それまでの幼児期には水泳など、他のスポーツをやりながら最終的に体操を選んだそう。「母は体操選手だったが、最初から体操だけをやらせるのではなく、さまざまなスポーツにチャレンジさせてくれた。その結果自分が楽しい、もっとやりたいというものにたどり着いた。今、教える立場になり、子供の“楽しい”と感じる気持ちを伸ばしていけるように導いていきたい」と語る。
また、体の基礎作りやけがを防止する観点においては「体操に限らず、スポーツは左右対称の動きを意識することが大切。例えば、ボールを右で投げたら次は左で投げるなど。左右対称に動かさないと体のゆがみにつながる。左右をバランスよく鍛えることが、競技の上達はもちろん、膝や腰に負担をかけず、けがをしにくい体づくりにもつながる」と、その重要性を強調する。