綿矢りささん新刊「ウォーク・イン・クローゼット」 消費社会の悲哀、軽やかに (1/4ページ)

2015.11.22 17:02

収録作の執筆のために陶芸家を取材。「その職業に夢中になる理由、魅力が伝わってきた」と話す綿矢りささん

収録作の執筆のために陶芸家を取材。「その職業に夢中になる理由、魅力が伝わってきた」と話す綿矢りささん【拡大】

 男性好みの服で“武装”するOLに、女ストーカーの影に悩む新進陶芸家。綿矢りささん(31)が2年ぶりの新刊『ウォーク・イン・クローゼット』(講談社)で、哀切でコミカルな人間の姿を描いている。ドライブ感のある文章がさえる軽快な作品集には、現代に向ける作家の鋭い視線も息づく。(海老沢類)

 平成25年以降に発表した2編を収める。男性受けのいい清楚(せいそ)系ファッションが似合う28歳のOL・早希と、洗練された一流の服に囲まれて暮らす人気タレント・だりあ。表題作では、幼なじみ2人のままならぬ恋愛と複雑な友情、有名人のだりあを窮地に追い込む騒動の顛末(てんまつ)をつづる。

 「対男」の戦闘服

 「今、物がめっちゃあふれてますよね。個人の表現として何かを選ぶセンス、そして選ばないセンスが重要になっている。最初に浮かんだのは、クローゼットを開けたら洋服の代わりに男の人が並んでいるイメージだった」と綿矢さん。タイトル通り、衣服が“主役”の物語でもある。

「全方位に好かれることを追求して何かが空虚になっていく…」

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