【著者は語る】作家・五木寛之氏『嫌老社会を超えて』 (1/2ページ)

2015.12.5 05:00

 ■老人VS若者を回避する方法考える

 「下流老人」「老人漂流社会」-。今、高齢者が大きなテーマになっています。その一方で、100歳の老人が元気に走る姿や趣味に興じる様子が報じられています。いずれも真実ですが、そこに隠されたもっと切実な問題はないでしょうか。

 僕が伝えたいのは、高齢者をめぐる目に見えない空気です。最近、働く青壮年のなかに、高齢者に対する無言の反発や抵抗感が静かに広がりつつあるような気がします。

 「若肉老食」などという言葉もでてきました。現在、若い世代が減少し、圧倒的に高齢者が増えつつあります。年金や社会保障の負担は、現役世代の肩に重くのしかかってくる。国富の大半は高齢者の富裕層が所有して、一方で貧困にあえぐ多くの老人がいる。こうした老人への冷たい視線は弱まるどころか、強まっているように感じます。この居心地の悪さはなんだろうと、僕は考え続けてきて、「これは嫌老感ではないか」と思い至ったのです。戦後70年に、「嫌老社会」が出現しつつあるという予感に、僕自身、ショックを禁じ得ません。

 いずれ老人VS若者の階級対立にまで発展しかねません。しかし、これは一面しか見ていない議論です。高齢者のなかにも、富裕層と貧困層がいます。老若の格差もあれば、老老にも格差がある。これが現実です。

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