クリーク・アンド・リバー社プロフェッサー事業部長の倉本秀治氏。【拡大】
博士号取得者が大学の教員にも企業の社員にもなれない。ひと昔前なら、首をかしげたくなるようなことが現実に起こっている。いわゆる「ポスドク問題」だが、ポスドク1万6000人のなかで、戦力化していない人材が相当数いるという。
ポスドクとは、Postdoctoral Fellow、つまり博士号を持つ研究員である。現場での戦力として、数年間続く研究プロジェクトの間、有期雇用されるという立場だ。年収は350~400万円程度。多くて600~700万円。しかも、約1割は職にさえ就けないという。
そこで、この状況を打開するために、クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)は、企業と大学、そして研究者(大学教授・ポスドク・大学院生など)の連携促進を図った。今年7月に、研究者に特化したエージェンシー事業をスタート。すでに、国公立大学や私立大学の研究者の登録を開始。受け皿となる理系企業、主としてメーカーとのヒアリングもはじめている。現在、その数は研究者が100人強、企業が50社余りだという。