この分かりにくさを解消しようと、鉄道会社や地下街管理会社などは平成以降、案内表示の統一や共通マップの作成を進めた。平成21年からは鉄道会社などが協力して訪日外国人向けに多言語に対応したマップを作成し、駅や案内所で配布している。
ただ、ある案内所のスタッフは「地図を読むのが得意な人でも、地下街には地図のように平らではなく階段を上り下りしないといけない場所もある。途中で迷ってしまうのも無理はない」と打ち明ける。
攻略する術は
「地上のように遠くが見渡せないため、頭の中で位置関係のイメージをつくりにくい」。方向音痴などについて認知科学の観点から研究している成城大の新垣紀子教授(心理社会学)は、地下街の難しさをこう分析する。
地上であれば高いビルや山、太陽など自分の向きや位置を確かめる大きな手がかりがあるが、地下街では個々のランドマークを通り過ぎるだけで現在地を見失いやすいという。