中国人が次も「爆買い」を楽しむとは限らない 世界遺産・熊野古道の戦略 (1/5ページ)

2015.12.29 17:14

熊野古道を訪れる外国人観光客(田辺市熊野ツーリズムビューロー提供)

熊野古道を訪れる外国人観光客(田辺市熊野ツーリズムビューロー提供)【拡大】

  • 外国人観光客が増えている熊野古道。平成26年5月には、同じ巡礼路の世界遺産があるスペイン・ガリシア州の首相(左から2人目)らが視察に訪れた=和歌山県田辺市
  • 英語併記の看板設置について検討するTBの関係者ら=田辺市
  • 熊野古道を訪れる外国人観光客(田辺市熊野ツーリズムビューロー提供)

 「爆買い」が流行語大賞になるなど、今年は都市部を中心に中国人観光客が一段と存在感を増した1年だった。一方、爆買いする物が少ない地方でも、自然や歴史など地域固有の観光資源を生かし、外国人観光客を呼び込むことに成功しているケースがある。和歌山県田辺市では和歌山、奈良、三重の3県にまたがる世界遺産「熊野古道」を目玉とし、大都会にはない魅力で勝負。海外からの観光誘致などを行う組織も立ち上げ、欧米や豪州を中心に外国人客を増やしている。中国人も含め訪日リピーターは、買い物より自然体験などを求める傾向が強いとされ、今後はそうした層を積極的に取り込んでいきたい考えだ。

 大都市にはない魅力

 世界遺産登録から11年がたち、熊野古道では欧米や豪州などの外国人観光客の姿が目立つ。「日本の歴史や自然を体感できる場所を歩いてみたかった」と話すのは、オーストラリアからきた20代のカップル。日本の原風景や熊野の精神性に触れ、「崇拝に自然が関わっているという日本の考え方に興味を持った」という。

 2人は日本に来るのは2回目。一般的に東京や大阪、京都などの主要都市を訪れたことがある外国人は、よりディープな日本を求めているようだ。

観光庁の昨年の訪日外国人動向調査によると…

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。