最近、確かに若年性認知症の患者数は増えています。しかし、これはこれまでほかの病気と間違って診断されていたものが医学の発展とともに正確に診断されるようになったのが原因で、おそらく実質的な数は変わっていないと思います。患者数は全国に7万~8万人。
お年寄りの認知症の場合、アルツハイマー型が半分以上ですが、若年性認知症の場合は脳梗塞などによる血管障害が原因で起きる血管性認知症が一番多いのです。次が交通事故など頭部外傷後の認知症。3つめにアルツハイマーなど病状の進行とともに次第に脳が萎縮してくる変性疾患型のもの。
脳梗塞、交通事故といった原因がはっきりしているものは診断しやすいのですが、アルツハイマー、ピック病、レビー小体型認知症といった変性疾患は病気になる原因がわかっていません。徐々に出てくるので変化に気がつきにくいからタチが悪い。
若年性認知症は原因が多彩です。治療法も異なるので、きちんと見極めなくてはいけません。診察ではいろんな検査をします。まずは問診。