埼玉県芸術文化振興財団は21日、演出家の蜷川幸雄さん(80)が体調不良のため、2月9日に彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)で開幕予定だった新作「蜷の綿-Nina’s Cotton-」の上演を延期すると発表した。
同作は、蜷川さんの半生を劇作家、藤田貴大さん(30)が書き下ろした新作。蜷川さんが2月9~28日、藤田さんが2月11~25日の日程でそれぞれ演出する予定だった。
同劇場によると、蜷川さんは昨年12月中旬、軽度の肺炎と診断され、入院。快方に向かっているものの、体力回復が十分でないと判断したという。同劇場((電)048・858・5507)でチケットの払い戻しに応じる。同時期に代替公演も予定している。
蜷川さんのコメント「『蜷の綿-Nina’s Cotton-』は、50歳離れた藤田貴大さんが時間をかけて僕のことを戯曲に書き上げてくれました。恥ずかしい気持ちはあるのですが、とても面白いので、演出しようと決意していただけに悔しい気持ちでいっぱいです。早く回復して劇場に戻ります」