■「宗教行為を商品化」VS「開かれた寺へ」
インターネット通販大手、アマゾンジャパンを通じた僧侶の派遣サービスが始まり、波紋を広げている。「定額で手軽に僧侶が呼べる」と好意的な意見がある一方、仏教界は「宗教行為を商品化している」と批判。社会の変化により宗教とビジネスの線引きは曖昧になってきている。(中井なつみ、戸谷真美)
金額が明瞭
「[お坊さん便]法事法要手配チケット 3万5千円」。アマゾンのサイトに昨年12月8日、登場した「お坊さん便」は、ネットを通じた葬儀サービス事業などを行う「みんれび」が、利用者の拡大と利便性の向上を目指して出品した。
売買されるのは法事や法要への僧侶手配のチケットで、アマゾンやみんれびの手数料を除いた金額が、実質的な「お布施」として僧侶に支払われる。料金には交通費やお膳料、読経、法話などが含まれるほか、7宗派に対応し、ほぼ全国に派遣可能。支払い審査に一定の時間がかかるため、葬儀には対応していないという。