経団連の榊原定征会長と、連合の神津里季生会長の労使トップは29日、平成28年春闘について、東京都千代田区の経団連会館で会談し、賃上げが必要だとの認識で一致した。ただ、経団連は年収ベースでの賃上げを呼びかける一方、連合は賃金を底上げするベースアップ(ベア)や格差是正を求めるなど、賃上げの手法では対立が続いた。
経団連の榊原会長は、収益が拡大した企業に対し、定期昇給やベアに限らずボーナスなどを含めた年収ベースで「昨年を上回る賃金の引き上げに向けた積極的な対応を呼びかけている」と説明した。ベアについては賃上げの手法の一つと述べた。
一方、連合の神津会長はデフレ脱却に向けて「国全体で総掛かりの取り組みが必要」と主張。消費拡大とデフレ脱却につながる「毎月支払われる賃金の引き上げこそが重要だ」と訴えた。経団連が主張する年収ベースでの賃上げに対し「ボーナスは収益次第。(デフレ脱却への)持続性にはつながらない」と話した。
労組側は2月中旬にも要求書を会社側に提出。大手の集中回答日は3月16日の見通しだ。