収入アップが富裕層の近道?! 「本流」はチャラい青年実業家ではない (5/5ページ)

2016.1.31 17:12

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 とはいえ、「全可処分所得」を運用にまわすといっても、どれくらいが目安になるのでしょうか。

 次に紹介するのは、金融広報中央委員会の「暮らしと金融なんでもデータ」に出ている、勤労者世帯の世帯主年齢別貯蓄残高、貯蓄年収比(2012年)です(・表参照)。

 年代が上がるにつれて年収に対する貯蓄の比率も上がる傾向にあり、70歳以上の貯蓄年収比が最も高くなっています(360%)。よく言われる「日本人は死ぬときが一番金持ち」という言葉を裏付ける内容になっています。

 「普通の年収の人」こそが富裕層の本流

 公務員でありながら現在の時価で100億円超の資産を築いた本多静六先生は『私の財産告白』で通常収入の25%、臨時収入の100%の貯蓄を25歳から40歳まで15年間続け、その後、貯蓄を原資にした運用に入ったら利息からの収入が本業を超えた、と書かれています。

 年収の25%の貯金を仮に20年つづければ貯蓄年収比率は500%(5倍)になります。仮に年収600万円(一定)の人がその25%(150万円)を20年積み立てると計3000万円となる。一般の方でいけば、60歳を超えたときに360%から500%の間の貯蓄年収比となるくらいの蓄えがあれば合格点ではないでしょうか?(※)

 ※高年収の方は税金でもっていかれる割合が大きいので、絶対額としては大きくても貯蓄年収比でいうと大して貯蓄が残らない可能性がある。 

ちなみに、僕は超富裕層(金融資産5億円超)ではありますが、貯蓄年収比率は40代の基準となる137.8%に達していません。35歳まで1億円の借金を負っていたこともひとつの理由ですが、一番大きい理由は税率が65%を超えていて手元にお金がほとんど残らないことです。

 これは、収入を上げることが富裕層になる近道ではないことを如実に示しています(次回稿を改めてご説明します)。

 さて、最終的に富裕層になるには、前出の「必要なこと」(2)にあるように、「4つの財布(給与所得、事業所得、不動産所得、配当所得)を持つこと」が理想的ですが、その前段階では地道な貯蓄が絶対的に必要なのです。

 『日本のお金持ち研究』(橘木俊詔、森剛志著)は「全国高額納税者名簿」(2006年廃止)をベースに調査した本です。この調査の前提は、高額納税者=富裕層というもので、調査対象者の年収は約1億円以上。しかし、僕はこの調査対象者以外の、コツコツ貯金を続けられる「普通の年収の人」こそが富裕層の本流だと思っています。

 金融資産1億円以上の世帯数は、100.7万です(2013年、野村総合研究所調査)。これに対し、同年の年収1億円以上の申告納税者数は1.6万人しかいません(国税庁調べ)。片や「世帯」、片や「人」ですが、仮にこの1.6万人の世帯数が1万世帯だとすると(夫婦共年収1億円以上の人もいるため)、富裕層100.7万世帯の1万世帯つまり99%の世帯は『日本のお金持ち研究』の調査対象から漏れていることになります。

 これらの数字が語ることは、富裕層のほとんど全ては年収1億円以下ではないという事実です。

 僕がこの連載で訴えていきたいこと、それは「年収をなるべく上がらない方法で富裕層を目指そう」ということです。次回稿で説明する「税との闘い」を考えると、年収を上げて富裕層になるより年収を上げないで富裕層になるほうがずっと確実で再現性のある方法です。

 (行政書士、不動産投資顧問 金森重樹=文)(PRESIDENT Online)

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