治療法は、漢方薬の処方や女性ホルモンの補充が中心。ホルモン補充療法には経口剤のほか、貼付剤やジェル剤が使われている。「ホルモン剤を使えば数日でも効果が出る。1~2カ月で症状もだいぶ落ち着きます」と片井医師。
女性ホルモンは、子宮体がんや乳がんを増殖させるが、事前に乳がんや子宮体がんがないことを確認して定期的な検査を行えば、5年以内の使用では乳がんの発症率に影響はない。その後発症率が増えたとしても、10万人当たりで数人程度とされる。
治療をしても症状が落ち着かない場合は、別の病気の可能性も。「特に注意しなければならないのが甲状腺に関する病気」と片井医師。女性に多い甲状腺機能異常と更年期の症状はよく似ているからだ。片井医師は「治療しても症状が改善しない場合は、ほかの病気の可能性もある。確認してもらうことが大切」と指摘する。
生活見直しを
女性ホルモンの減少に伴い、体内ではさまざまな変化が起きている。症状の有無にかかわらず、「更年期は自分の体と向き合うことが必要な時期」と片井医師は語る。