2016年春闘では、人手不足や堅調な業績を背景に、外食や小売りなど非製造業でベアの動きが広がっている。家具大手のニトリホールディングス(HD)は好業績を踏まえ総合職社員を対象に月額3538円のベア実施を決めた。ベア実施は13年連続。昨年ベアを見送ったコンビニエンスストア大手のファミリーマートも3000円のベアに踏み切る。
外食では、牛丼チェーン「すき家」のゼンショーホールディングスが1500円のベアを実施するほか、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは全社員の基本給を6月から月額2182円引き上げる。
一方、原油安に伴う燃料コスト低下や訪日外国人などの乗客増の追い風を受けた航空大手2社は、そろって2年連続でベアを実施する。ただ上げ幅は、全日本空輸が月額1500円、日本航空が1000円と、3000円で並んだ前年実績の半分以下にとどまった。全日空は一時金の年度内支給分を0.5カ月増やすなど、年収ベースで社員に報いる。