気付かず
食物アレルギーに詳しい国立病院機構相模原病院の海老沢元宏アレルギー性疾患研究部長は「このタイプのアレルギーは本人が自分のリスクに気付いていないことが多いのが問題」と指摘する。
まず、ハンノキやシラカンバの花粉が飛ぶのは1~6月で、花粉症の患者数が圧倒的に多いスギ、ヒノキの花粉飛散時期とほぼ重なるため、カバノキ科のアレルギーの有無までは検査していない場合が多いこと。A子さんもそうだった。
加えて、グリエム4は一般的な検査試薬には微量しか含まれていないため、血液検査で「大豆アレルギー陰性」と出ることも珍しくない。「診断には微量の食品を皮膚に染み込ませる皮膚テストが有効だが、観察に時間がかかるなどの事情から専門医以外には広まっていない」と海老沢さん。