そのうえで、「急増する宿泊需要に応じていくのも業界の使命。南京虫問題とも向き合うしかない。客室の稼働率アップによる増益とその“副作用”による支出配分は、とても悩ましい問題です」と頭を抱える。
ビジネスチャンスに米国の最新技術導入
専門家によると、スーパー南京虫の駆除は一般家庭では非常に難しいとされる。
最近、先進国で増殖しているスーパー南京虫は、市販のピレスロイド系殺虫剤に耐性を持っている。高熱の蒸気などで処理するか、業者用の有機リン系液剤で駆除するかが有効な対処法だが、いずれも業者に頼らざるを得ないのが実情だ。
そんななか、スーパー南京虫の増殖を新たなビジネスチャンスととらえ、新たな防除技術を導入して強化する企業も現れた。
清掃などとともに、害虫獣駆除サービスなども行っている「ダスキン」(大阪府吹田市)は、平成25年から南京虫対策を前面に打ち出したサービスに乗り出している。同社は、日本よりも先にスーパー南京虫の被害が拡大した米国へ研修スタッフを派遣。提携している米国の有名害虫駆除サービス提供会社「ターミニックス」を通じて、先進の防除技術などを導入した。