常軌を逸した日本の「貯蓄格差」 貯金ほぼゼロ、生活破綻寸前の人もいる? (3/6ページ)

2016.4.10 17:07

 世帯数分布と貯蓄量分布のズレは、右端の累積相対度数をみると、もっとクリアーです。貯蓄400万未満の世帯が全体の半分近くですが、この層には、社会全体の「溜め」の6.2%しか行き届いていません。

 「日本の貯蓄格差は常軌を逸して大きい」

 こうした偏りは、表の累積相対度数をグラフにすることで「見える化」されます。横軸に世帯数、縦軸に貯蓄量の累積相対度数をとった座標上に、13の階級をプロットし線でつなぐと、図1のようになります。

 きれいな曲線ですね。統計学の素養がある方はお分かりでしょうが、これがいわゆるローレンツ曲線です。ひとまず、貯蓄ローレンツ曲線と名付けましょう。

 この曲線の底が深いほど、世帯数と貯蓄量の分布のズレが大きいこと、「溜め」の配分に偏りがあること、すなわち貯蓄格差が大きいことを示唆します。その程度は、色付きの面積で測られます。この面積を2倍した値が、よく知られている「ジニ係数」(編注:収入や貯金・資産の不平等・格差を測るための尺度で、数値が0に近づくほど格差が小さい)です。

貯蓄分布に全く偏りがない場合、ローレンツ曲線は…

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。