この点になると、人事担当者の評価はマツコが言うように必ずしも「優秀」ということにはならないようだ。
とくにプロフィットセンターである営業職について製薬会社の人事担当者はこう語る。
「女性営業のMR(医薬情報担当者)職の採用を増やしているが、売り込み先の医師の中にはやたらと上から目線で文句を言ってくる横柄な人もいる。その度に昼夜関係なく医師のところに駆けつけることもあれば、セクハラまがいの行為を受けることもある。我慢の限界に達し、辞める女性も少なくない。その点、男性は辛抱強く対応し、最後はおだててうまく商談をまとめる。男性も辞める人間がいるが、女性のほうが多い。面談でどうして辞めたいのと聞くと『医者なんか大嫌いです!』とはっきり言う女性もいる」
泥臭い営業に音を上げる女子社員
新卒女性の就職人気ランキングでは常に上位に入る旅行会社。だが法人営業となると、それほど活躍している女性は少ないと語るのは大手旅行会社の元営業部長だ。
「旅行会社の仕事は華やかそうに見えるが実際はそんなことはない。とくに花形の営業は泥臭い仕事だ。300人の団体旅行を受注するには役員のクラスの判子が必要になる。そのためには労働時間もへったくれもない体力と気力が求められる仕事だ。飲みにつきあうこともあるし、価格交渉でもねばり強さが必要だ。成績優秀なすご腕の女性営業職なんて聞いたこともない。結局、営業に向かず、キャリアを落として手続き業務などの事務作業や店舗のカウンターでパッケージツアーを売ったりしている女性も多くいた」