子宮頸がんワクチンを接種後に全身の痛みやしびれが報告されている問題で、約7万人を対象に調査をしている名古屋市は27日までに、調査結果をまとめた。ワクチン接種と症状との因果関係の判断はせずデータのみの内容で、河村たかし市長は会見で「市の調査では限界がある。国の動きを見守りたい」と述べた。
市は昨年12月に速報値を公表、「接種者に有意に多い症状はなかった」との見解を示した。しかし市民団体などから異論があり、今回は評価を盛り込まなかった。市保健医療課は「結果の解析にはさまざまな意見があり、市が評価する立場にない」とした。
調査は昨年9~10月、接種費の補助対象年齢の市内居住者を対象に実施。「物覚えが悪くなった」「手や足に力が入らない」など24の症状の有無を尋ね、約3万800人が回答した。調査結果は18日、市のホームページで公表したが、昨年12月の速報値をより詳しくし、自由記載の内容を盛り込むにとどめた。