調査では、学生自身もすっきりした髪形が好ましいことは理解しつつも、「自分は少し長めでも大丈夫」と考える傾向があることも浮き彫りになった。
合同企業説明会をのぞいてみると、大阪の私大法学部3年の男子学生(21)は「就活だからと髪形を決められるのはイヤ」と断言。髪は少し長めのイマドキ風で、「どうせ終わったら伸ばすし、そんなものに振り回されたくない」話した。
一方、「前は赤とか茶に染めてたんですけど…」と明かした奈良の私大文学部3年の男子学生(21)は、「説明会なんで」と黒髪に染め直し、短くすっきりカットしていた。「業界ごとの髪形があると分かってたら便利ですよね」と、就活ヘアには興味津々の様子だった。
社会人生活を前に、意識しながらも学生らしい髪形から抜けきれないという就活生と、面接段階から「社会人らしさ」を求める企業側との間には、明らかにギャップがあるようだ。近大キャリアセンターの土井良介課長は「就活の髪形がフォーカスされていなかったのは、逆に不思議」とし、「学生には『基準は自分』ではなく、あくまで社会であることを意識してほしい」と、学生にも髪形の重要性を説いているという。