なぜ?月収3万円でもスーツの値段は20万円! コンゴ紳士のファッション哲学 (1/3ページ)

コンゴからやってきた「世界一おしゃれで平和な紳士」といわれる「サプール」。(サプール名で)カンガ・エリックさん=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)
コンゴからやってきた「世界一おしゃれで平和な紳士」といわれる「サプール」。(サプール名で)カンガ・エリックさん=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)【拡大】

  • コンゴからやってきた「世界一おしゃれで平和な紳士」といわれる「サプール」。カンガ・エリックさん=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)
  • 心斎橋筋商店街を練り歩いたコンゴからやってきた「世界一おしゃれで平和な紳士」といわれる「サプール」。(サプール名で)イヴ・サンローランさん=大阪市中央区(南雲都撮影)
  • 「サプール」のイムィエゴ・セヴランさん(左)とイヴ・サンローランさん=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)
  • 心斎橋筋商店街を練り歩いたコンゴからやってきた「世界一おしゃれで平和な紳士」といわれる「サプール」。手前がムィエゴ・セヴランさん=大阪市中央区(南雲都撮影)
  • 心斎橋筋商店街を練り歩いたコンゴからやってきた「世界一おしゃれで平和な紳士」といわれる「サプール」。手前右から(サプール名で)イバラ・ルノーさん、イヴ・サンローランさん=大阪市中央区(南雲都撮影)
  • 「サプール」カンガ・エリックさんの足下=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)
  • 「サプール」カンガ・エリックさんの時計や袖=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)
  • スーツの中を開いてみせる「サプール」のイバラ・ルノーさん=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)
  • 「サプール」のイバラ・ルノーさん=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)
  • 「サプール」のイバラ・ルノーさん=大阪市中央区の大丸心斎橋店(南雲都撮影)

 平均月収約3万円、世界でも貧しい国とされるアフリカのコンゴ共和国。そこに、カラフルな高級スーツに身を包み、街をかっ歩する紳士集団「サプール」がいる。その姿はインターネットを通して世界に広がり、今や各地で写真集が出版されるほど。約2000人もいるといわれるサプールのうち、リーダー的存在の5人が、大丸心斎橋店で開かれている写真展「ザ・サプール」に合わせて来日、“おしゃれ哲学”を語った。(木村郁子)

 ファッションは人生

 メード・イン・フランスのグレーのスーツ。襟もとには明るい紫色のストールを流し、胸にはやはり紫系のポケットチーフ。ネクタイは、ブルーと紫の幅広タイプ、と粋な着こなしを披露したのは、元森林経済省勤務というムィエンゴ・セヴランさん(61)。スーツの値段は、「20万円」という。

 「ファッションは人生そのもの。週末は街のすべてが社交場となり、サプールのメンバーと互いのファッションについて語り合い、批評し、競り合うんだよ」とにこやかに話す。

 サプールとは「おしゃれで優雅な雰囲気をまとった紳士」を意味する造語。上質な服をエレガントに着こなし、非暴力を貫き、喜びを分かち合う。ファッションで平和をアピールする集団でもあり、コンゴ国内では尊敬される存在だ。ちなみに、“サプール名”のような通称名を持って活動する。そのため、「イヴ・サンローラン氏」もいる。

セヴランさんは父もサプールでその姿に憧れ、おしゃれを磨いてきた。だが…