伊藤忠、ワコール… 多くの一流企業を生んだ“近江商人”に学ぶ投資の極意 (4/5ページ)

 女子教育のために巨額の私財を投じた女性もいる。近江商人で総合繊維商社の株式会社ツカモトコーポレーションの創業者となった初代塚本定右衛門(江戸後期~明治)の五女・塚本さとは、大正8年(1919年)に私立淡海女子実務学校を創立。自分自身も近江商人の妻だったさとは女子教育の重要性を痛感。一般教養から芸術まで幅広く教え、“知性と教養を身につけ自立した女性”が増えることを願った。

■“世間よし”じゃないと自分も本当の意味で豊かになれない……世の中のために投資

 近江商人と言えば、“三方よし”の経営哲学も有名だ。これは、

 売り手よし……売り手がきちんと利益を上げていること

 買い手よし……買い手が適正価格で良質な商品を購入できたこと

 世間よし……そのビジネスのおかげで、世の中全体がより良いものになっていること

 を意味する。

 売り手と買い手だけが得をしてそれ以外に悪影響を及ぼすようでは、事業を拡大すればするほど世の中の多くの人から恨まれることになり、その事業は長くは続かないという。その他にも、『陰徳善事』(人が見てないところでの良い行い)も奨励していた。

近江商人は積極的に利益を地域社会に還元し、慈善事業にも莫大な金額を出資