遺産4200万円でも相続税 「実家の二次相続」で訪れる悲劇 (2/6ページ)

 レガシィの調べでは、一次相続から二次相続までの期間差は平均して16~49年(先に父親が亡くなるケース)。その間、子供たちも年齢を重ねるため、多くは持ち家を保有し、その土地での人間関係もできあがっている。だから、二次相続時には「いまさら実家に住むつもりはない」という人が大半だという。そのことがまずはトラブルのタネになる。

 「母親が住んでいた家をどう処分するかで兄弟間の争いになるケースが増えています」というのはレガシィ代表社員税理士の天野隆氏だ。

 売却して代金を相続人で分割する方法もあるが、まずは遺品整理をしなければならないし、気持ちの整理をつけるにも時間がかかる。東京23区内ならともかく、郊外や地方では買い手がつかないという懸念もある。賃貸に出すとしても、その前に費用をかけてリフォームしなければならない。結局、空き家として放置されるケースが増えるのだが、毎年の固定資産税は負担する必要がある。

 「路線価」に注意。うっかり払いすぎも

 そのうえ現在、空き家は「思わぬトラブルのもとになりかねません」(天野氏)。人が住まない建物は劣化が早く、雑草だらけの庭は隣近所の迷惑だ。そのうえ15年5月からは、自治体に「危険な空き家」と認定されたら小規模住宅に対する固定資産税の優遇措置が取り消され、更地並みの高い税額を支払わされるというリスクもある。

そこで天野氏が選択肢のひとつとして提案しているのが、実家を「記念館」として…